原子力損害賠償の法律問題 (KINZAIバリュー叢書)

私は企業で法務部門に所属しています。3.11の原発事故がきっかけで、原子力問題に興味をいだき、昨年6月頃、卯辰氏の『現代原子力法の展開と法理論』を読みました。米国法制、日本における原発問題等に関して、大変踏み込んだ分析がされており、驚きました。本著は、『現代原子力法の展開と法理論』より、わかりやすく書かれているものの、初級者が入門書として読むには、少し難解かもしれません。他方、専門家にとっては、大変役に立つ本だと思います。3.11事故をふまえて策定されたガイドラインに基づき、幅広い論点に言及されています。１つの論点に関して解説は４頁程度ですので、興味ある論点から読んでいくこともできます。最新の手引書ということを考えると割安だと思います。